プラセンタは副作用が無いといわれていますが、ではそのプラセンタにアレルギーを持つ人はいるのでしょうか?
基本的には多くのグロースファクター(成長因子)がプラセンタには含まれているのでアレルギー体質を改善する効果があるといわれていますが、逆の効果もあるのでしょうか。
実際人の胎盤を原料として製造されるプラセンタ注射薬の投与にはいくつか注意したいことがあります。
副作用について
病院での治療の一環として受けるプラセンタ注射を受けて重い副作用が起こった事例は今までほとんどありません。ただし、プラセンタ注射薬は「たん白アミノ酸製剤」であるため、ごくたまに「発疹、発赤、悪寒、悪心、発熱」などのアレルギー反応が起こることがあります。
医療用プラセンタ注射剤「ラエンネック」の製造元である㈱日本生物製剤によると、プラセンタ注射によってアレルギー反応が起きる割合は 0.37%と大変少ないのです。症状がみられたときは、プラセンタ注射を一時中断して、様子をみましょう。
また、注射を受けた部位に疼痛や発赤などの反応が起こることもありますが、予防注射を受けたときのように安静にしていると半日程度でほぼ解消されます。この他にも、閉経後の月経再開がみられたという報告もありますが、投与を中止すると治ったということです。
プラセンタ注射を受けると献血はできません
プラセンタ注射については、ヒト由来の臓器から作られた注射剤を使うので、輸血や臓器移植と同じように一定のリスクがあります。今までのところ、プラセンタ注射が原因で感染症が拡大したという事例はありません。しかし、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病などの感染が広がる可能性がゼロではないことも事実です。そのため、リスクヘッジ措置として、プラセンタ注射を一回でも受けた方は献血を遠慮してもらうという規制が設けられています。
ただし、この規制は注射剤のみに適用され、内服薬や健康補助食品(サプリメント、ドリンク剤など)、化粧品は人由来のプラセンタエキスを使っていないので、規制の対象には含まれません。
もともとアレルギー体質の方は、動物の胎盤を使ったプラセンタエキスに抵抗を感じる方も多いようです。そんな方に今、支持されているのが、植物性のプラセンタエキスです。
植物性プラセンタとは?
植物にはそもそも胎盤がないので、正確にはプラセンタではありません。植物の中で種を育てる「胎座」から抽出した成分です。胎座は、哺乳動物でいうところの胎盤の役割に近いので、植物性プラセンタとよばれるようになりました。エキスを抽出し、主に化粧品に使われています。
植物性プラセンタの主原料はさまざまで、生育・採取しやすいクロレラやアロエ、トウモロコシなどの胎座が多く使われています。動物性プラセンタとの決定的な差は、成長因子(グロスファクター)がないこと。このため、動物性プラセンタに比べると健康や美容に対する効果は低いのですが、安全性が非常に高く、アレルギー体質の方も比較的安心して使えるという声が多く聞かれます。